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会員写真展案内

籔本近己写真展     「軌跡をたどる」

原喜久雄写真展     「なにわの水と火の祭典」

一色龍太郎写真展    「四国 石鎚 山里物語」

会員写真展レポート

笹尾敏子写真展「日本の自然」最優秀賞受賞記念展        2018年5月15日(火)~5月20日(日)             平塚市美術館市民アートギャラリー

 笹尾敏子写真展「日本の自然」最優秀賞受賞記念展が神奈川県平塚市美術館市民アートギャラリーで5月15日から20日まで開催されている。

 会場に展示されている第34回「日本の自然」コンテストで最優秀賞を受賞した「三兄弟」は、若い三羽のアオサギで、中央の一羽が偉そうに羽を広げ、両サイドの二羽がそれを称賛しているような、微笑ましい作品だ。作品の両サイドには産卵から成長する過程の作品が数点並ぶ。撮影地は大磯駅から近い貯水池で約3ヵ月に渡り撮影を続けたという。笹尾さんは「鳥の子育てを通し、親子の絆を感じ取りました。人間と変わりないということも」と話した。

 場内には、以前個展を開いたモンゴルの作品やトワイライトに輝く夜の横浜の作品など100点以上が展示され、訪れる写真愛好家たちを楽しませている。

記:山田信次

 

米山悦朗写真展「狐の夜祭り」                                              2018年5月8日(火)~5月15日(火) えすぱすミラボオ

 米山悦朗氏の個展が、東京は神楽坂のギャラリー「えすぱすミラボオ」で開催された。

 今回のテーマになっている「狐の夜祭り」は、新潟県柏崎市高柳町で毎年開催の神事で、山から下りて来た狐たちが畳一畳はあろうかと思うような大きな油揚げを作り担いで、隣の集落まで行進し油揚げと踊りを奉納して山に帰って行くという何とも楽しい夜祭りを2014年2015年と2017年の3度に渡って撮影した渾身の作品24点が展示された。

 夜の撮影にどう光を取り入れるか、新潟の手すき和紙を使いインクも紫外線硬化型を使用し、にじみを防止させる等、来場者も光を撮り込む撮影秘話や和紙を使用した制作話に耳を傾けていた。 

記:牧島ヒロミツ

 

星欣男写真展 「ぎゅっーと千葉2」               2018年4月13日(金)~4月19日(木) ギャラリー・アートグラフ

東京銀座アートグラフ、星欣男写真展を見てきました。今回の「ぎゅっーと千葉2」は前回に続き2回目の写真展でした。今回も18年に亘り千葉県の魅力を撮り続けており、充分に表現されている。内容も風景、自然、祭りなど四季を彩る34点の力作展示でした。中でも「濃溝の滝」は最近では有名になり、バスツアー客が多く撮影が難しくなりましたが、以前に同じ場所を撮った自然のままの作品と比較出来る素晴らしい作品がありました。さらに養老渓谷の“スポットライト”の写真など、どの作品も時期、時間などシャッターチャンスを考えた作品であり、感動する写真展でした。 

記:伊藤和徳

 

泉 満明写真展「橋の物語」                   2018年3月30日(金)~4月5日(木) a’ギャラリー・アートグラフ

   泉満明さんの写真展「橋の物語」が東京・銀座のa’ギャラリー・アートグラフで3月30日から4月5日まで開催されている。場内には北は北海道の幣舞(ぬさまい)橋から、南は長崎の眼鏡橋など40点の橋が展示されている。中には四国の祖谷(いや)の吊り橋や、今は運用を終えた高い橋脚で有名な山陰本線の餘部(あまるべ)鉄橋と、どれも目を引く橋ばかりだ。

 橋は人間が誕生して以来、現在の車社会に至るまで切っても切れない存在となっている。泉さんは大学生の頃からそんな橋に魅せられて,写真を撮るようになった。その後、橋に関連する仕事に携わり40年以上になるという。

 泉さんは「今までで一番印象に残っている橋は、当時世界一のQE2が通過できる日本一の横浜ベイブリッジですね。現在86才ですがまだ体が動くうちは、いろいろな橋を撮り続けていきたいですね」とほほ笑んだ。

記:山田信次

 

川岸じろう写真展「なにわ・チン電物語」            2018年2月23日(金)~3月1日(木) オリンパスギャラリー大阪

   写真展初日にお伺いしました。そこには全日写連大阪府本部・JPA日本写真作家協会後援と掲げられていました。その奥に眼鏡をきらりと光らせた川岸さんの笑顔がありました。

「チン電撮りましたんや。まあ見て下さい」と子供の「ドヤ顔」のようにして案内して下さいました。半切から全紙大サイズまでのカラーとモノクロームの作品が40点展示されていました。フィルム・デジタルに加えて針穴カメラで撮られた作品も3点ありました。

 テーマは表題通り、一般的にチンチン電車と呼ばれる大阪唯一の路面軌道の電車です。大阪みなみの天王寺駅から堺市の浜寺駅までの2系列全長約18キロメートルを走る最高時速40キロの電車なのです。停留所が31か所。終点駅を除いても平均駅間距離は600メートルくらい。いわば沿線の住民の足となっているという事です。

 川岸さんは少年時代からチン電に乗って居られてもう生活の一部だったそうです。撮られた最初の一コマは2004年で、以来10数年間撮り続けて来られました。現役を退いて展示物になっている古い車両から最近投入された近代的車両に至るまでの作品は、時代と共に変わる乗客の姿態を含め地域住民の生活と一体化された沿線文化を表しています。一時は経営難から廃線に追い込まれそうなことも有りましたが南海電鉄・大阪市・堺市・地域住民の熱い想いが叶って現在に至っています。終点駅の天王寺駅近くに来ると日本で一番高いビル「あべのハルカス」が見えてきます。大規模ショッピングモールも賑わっています。

 チン電を素材にして描いた沿線の物語を川岸さんは実に優しい目線で映像表現されています。川岸さんのお顔がほころぶのは針穴カメラで撮られた極めつけの1枚の写真の前でした。長秒時露光による彩色の車両の動体作品です。お見事でした。年明けに頂戴した案内状を兼ねた賀状にもプリントされていますのでここに添付して報告とさせて頂きます。

記:藤吉修忠

KPC・それぞれの写真展’17                                                    2017年12月8日(金)~12月10日(日) 深谷駅市民ギャラリー2F

   全出展者8人のうち3人がJPA会員である恒例の「KPC・それぞれの写真展」が開催された。本展は、出展者1人が21点の作品で、それぞれのテーマを追求するテーマ写真展である。

 

福島博子:テーマ「山谷(さんこく)の里」

 山谷の自然を背景に、工夫・継承された生産活動や、永らく伝承されてきた祭りや信仰などの人間模様を写し撮っている。この地に住む人々の死生観を探ろうとしているように感じられる。

 作者は解説文の中で「人間としてどう生きるかという生と死の課題は間近にさせている」としているが、自らの死生観と重ね合わせているのかも知れない。

 

出牛敏夫:テーマ「橋」

 「橋」を「人と人を繋ぎ、土地と土地を繋ぐもの。そこに経済が生まれ、文化の交流が始まる」と捉えている作者は、橋の街東京を一年間撮り続けてきた。

 橋が持つ人工的な幾何学的模様と人間の生活模様を対比させながら、その表層を通して大都会東京の深部を覗こうとしているようだ。

 

山田昇:テーマ「追憶━途切れた時の流れ」

 過疎化の波に抗しきれず、130年にも及ぶ学校の歴史に終止符が打たれた秩父日野沢小学校の廃校をめぐる作品である。

 戦前であれ戦後であれ、卒業生にとってこの学舎は、生涯の中で一番輝いていた世界であったはずだ。

 散逸する残留物を写し撮った作品から、時の流れを感じるとともに、そこに秘められた物語を色々想像させられる。

記:山田 昇

 

木川次夫写真展「北邊に生きる Ⅳ-魅せられて北国-」     2018年1月12日(金)~1月18日(木)              富士フイルムフォトサロン/大阪

  木川次夫 写真展「北邊に生きる Ⅳ」が開催された。

 北海道の山や湖の白鳥・鶴・鷲などの鳥類、狐・リス・そして熊、など、全紙額と全倍額で全41点の大型の作品が、ところ狭しとギャラリー壁を埋め、来場者は北海道の自然動物園に入り込んだような時空感を抱きリアリティのある大画面に酔うひとときを味わっていた。

各々の作品は、生死をかけて棲息する厳さだけの表現だけでは無く、各動物たちのそれぞれ固有の動きの余韻を感じるような、生き生きとした表情で語りかけて来るところにそのようなタイミングに掛けた撮影時の工夫が伺える。

 道東を中心にもう25年も通い、撮影場所は特定せず、情報とカンで動物との出会いに期待し対話の心で、数日間も待機する、動物や自然の変化が楽しくて寒くてつらいが、次に何が撮れるかという楽しみがそれに勝つ、とのこと。(神戸新聞2018.1.13記事)

 車中泊で待機し、熊がその車の横を通ったことも在ったとのこと、確かに熊の近接写真には迫力がある、近年熊の出没が大きな問題になっているだけに、熊のコーナには人が絶えない。

朝靄の水鳥、愛らしいリス、紅の昇陽に羽ばたく鷲らしい大型の翼などその美しい一瞬々と熊の生態の双方が存在する北海道の大きなスケールと更なる自然の魅力を改めて感じさせる写真展であった。

記:藤本光浩

 

坂 直尭写真展「女はとても美しい」               2017年12月22日(金)〜12月28日(木)            フレームマン・ギンザ・サロン

 坂 直尭さんの個展「女はとても美しい」は東京・銀座のフレームマン・ギンザ・サロンで開催された。

 会場には30年間女性を撮り続けた作品(カラー、モノクロ)60点が展示されている。自然の中やスタジオで撮影した作品は、どれも女性の美しい曲線美と肌の質感を見事に捉えている。中には遊び心をくすぐる作品や写真の技法を駆使した作品もあり面白い。

 女性の美に目覚めたのは「中学生の頃、父が会員になっていた富士山写真家・岡田紅陽氏の会報に、湯浴みしている女性のヌード写真が掲載されていて、女性の曲線美に魅せられたのがきっかけです」と坂さんは話す。

 40才代半ば頃、ヌード写真を撮る会「写ガール」に参加し、入賞を続け現在に至る。

 坂さんは「ミロのビーナスに始まり、神の創造物で女性より美しい物はないという私の信念は変わりません。これからも女性の美しさを求めて撮り続けたい」と意欲を燃やしていた。

記:山田信次

 

土井巻子ミニ写真展                      2017年12月11日(月)~12月27日(水)

土井巻子ミニ写真展が開かれている。

ダイマル芦屋店、読売巨人軍常宿ホテル(竹園)と200店舗の商業施設ラポルテ、生協コープコーベなどでの芦屋市のメインスポット、JR芦屋駅前広場、そのダイマルとコープを繋ぐ、地下通路の小広場に忽然と現れたミニ写真展のアート空間である。

 これといった特別の飾りも無い通路の、さりげない空間にさりげなく置かれた11点の映像が行き交う人には気になる。中山岩田やハナ勘で写真文化認識が高い芦屋ゆえに目ざとく吸い寄せられるように近づいて見る人も多い。年の〆として本年中に撮り溜めた中からの関西近郊シティの街角スナップ、赤い椅子とその影、夢が膨らむウインドウと子供や女性のシルエット、そして格好いい自転車、などの愉しい要素がうまくミックスされ、同じテーマでの光と影と色彩の図柄が並ぶことで各々の相乗効果が増し、明るく散策風で都会的な街角空間が創られている。

 そんなに広くない街の要所にそっと置かれたギャラリーコーナー、ベテランの演出である。女性作家らしい洒落たスマートさで師走の迫った心を和ませる。印象的エナジーは強い、が小さな写真展である。こんなところからも写真文化が広まっていくのも写真のパワーだと想う。

記:藤本光浩

 

第3回 JPA岡山サポーターPHOTO GROUP“ING&NEXT”展    2017年10月31日(火)~11月5日(日)             岡山県天神山文化プラザ

 JPAの岡山サポータークラブ(※)であるPHOTO GROUP “ING&NEXT”展が開催されました。今回の展覧会は、このクラブが土居礼子会員の元、発足して3回目となります。

 初回から記録的な来場者数で人気を集め、次の写真展もさらに多くの方に来場いただきました。そして今回、岡山県の写真クラブとしては前代未踏となる2,865名もの来場者数を記録し大盛況となり、嬉しいかたちで終了しました。

 この盛り上がりを、そのまま平成30年4月に開催予定であるJPA本展の岡山展に繋げていきたいと思っています。日頃からサポータークラブを支援いただいている津田一郎会長をはじめ役員の方々、そして何より写真展に足を運び盛り上げてくださった皆様に心から感謝したいと思います。本当にありがとうございました。     

記:萩原秀政 写真:土居礼子

※JPA岡山展のために活動する山陽地方在住のJPA会員有志ならびに協力者の方々

 

 

 

 

 

 

 

 

 

岡山サポータークラブのメンバー

籔本近己写真展「軌跡をたどる」vol.6                 2017年11月14日(火)~11月19日(日)             Gallery Hommage 東大阪市

 籔本近己氏の女体美の写真展が「10人の解語の花」と題して開かれている。

 KPC・写ガール会主催の、第39回KPC公募「写GIRL展」で籔本氏は、27点が入選し、そのうち3点は入賞したとのこと。今回はこの入選入賞作品全27展をA3ノビでプリント額装し、普通の家庭の様な小さなギャラリーの1階・2階の壁に飾られている。

会場は1階が小さなcafe 兼snackの二戸一長屋の1軒、商店街が切れた脇道の木造で普通の家、芸術家仲間が集って作品を持ち寄り展示して愉しむ隠れ家なのか、飾り気も無いそんな和室6畳程の2部屋になまめかしいヴィーナス群影が、玄宗皇帝が楊貴妃に言ったという「解語の花」としてまばゆいオーラを放っている、場所や規模を問わずとも女性はいつも美しい、というムードを感じる写真展である。

記:藤本光浩

 

第2回 津田写真塾 写真展                   2017年10月30日(月)~11月4日(土)             東京芸術劇場アトリエイースト

 津田一郎会長のもとに集ったJPA会員によるグループ=津田写真塾による展覧会が東京芸術劇場で開催された。

 今回の出展メンバーは、津田一郎会長をはじめ、内村文男、河村サユリ、櫻井芳子、砂井千恵子、二宮豊、野本喜代枝、松岡忠雄、松本仁成の9名である。

 このグループ結成のきっかけは、20年ほど前、各氏が全日写連の東ヨーロッパ撮影旅行に参加したことだという。津田会長はその旅行で撮影指導をしていたそうだ。この会長との出会い、そして故・大東元先生に師事したメンバーとの交流が続くなか、2011年に津田会長自ら立ち上げたのが、この「津田写真塾」である。

 2度目の開催となった同展は、会場に入るとまず入口に展示してある津田会長のゼロ式戦闘機の写真が目を引いた。展示された60点を超える作品は、ネイチャー・スナップ・ポートレートと多岐に渡り、自由な作風の作品は、気負いのない自然体で撮られた印象だ。「感じるままにシャッターを切った」作品が全体を占めている。

 昨今の作品はとかく強烈なレタッチが目についてしまうが、今回展示された写真には何か“ストレートに語り掛けて来るもの”を感じた。

(記:牧島ヒロミツ)

 

大友洋子展「道東に生きる」                   2017年10月13日(金)~10月19日(木)            a’ギャラリー・アートグラフ

  大友洋子さんの個展「道東に生きる」が東京・銀座のa’ギャラリー・アートグラフで10月13日から19日まで(日曜休館)開催している。

 会場には道東(知床半島、野付半島、阿寒)で捉えた雪をかぶった国後島をバックに立つエゾシカ、川に群がる天然記念物の丹頂鶴、気嵐(けあらし)の中、じっとこらえる白鳥の群れ、珍しいシマフクロウなど動物たちの作品35点が展示されている。また草原の草に付く雨氷が夕日に輝く壮大な風景は北海道ならではの作品で、目を引いた。

 大友さんは「北海道の自然やそこに住む動物たちに魅せられて15年間通いました。夏には知床半島でヒグマに出会うことができたのは感激でした」と興奮気味に話していた。

記:山田信次

 

兼吉正純Photoアート展(魅惑の花鳥風月)             2017年10月7日(日)~10月12日(木) トアギャラリ2F(神戸市)

兼吉正純氏のPhotoアート展(魅惑の花鳥風月)が開催された。

ハガキ・2L・六つ切り・A2ノビなど多種サイズの作品が、和式、洋式、アート、の各作品に応じた特別仕立ての装飾額に納まり、階段の壁と、室内の壁々に、ところ狭しと展示され、更に3連屏風や掛け軸や色紙など、全63点がギャラリー空間を埋め尽くしていた。

水すましが立てる微かな波、カワセミや白鷺の動く気配、立ち枯れた花、竹、などのモチーフが水墨画風・水彩画風・油絵風でそれぞれの額に収まっており凝縮した美術館といった雰囲気である。

兼吉氏は和紙のベテランであるが、今回はフレスコ(漆喰紙)のしっくり感と立体感の作品もかなり多い、A2ノビのプリンターで多岐多様に独自のプロラボ域を愉しまれている様子が覗える。

「後援:JPA一般社団法人日本写真作家協会」を明記した当該写真展の案内ハガキと「2018年1月のJPA大阪展のハガキ」が受付に並べられ、JPAの知名度高揚に一役、が果たされていた。

神戸港と神戸北野居留地を結ぶメインストリート、カジュアルファッションの発信地であり、美術工芸店も軒を並べる、小ぎれいなアートタウン・トアロードの中央付近、小粋なギャラリーに小雨の中三々五々とビジターが訪れていた。

記:藤本光浩

 

内田清一写真展                                                                   「3つの旅から -ネパール・ニュージーランド・アラスカ-」         2017年9月22日(金)~9月28日(木)                                      富士フォトギャラリー銀座

 内田清一氏の写真展に伺った。

 まず作品の多さと迫力に驚き圧倒された。

 展示されていたのは、ネパールのヒマラヤ山脈、ニュージーランドのフイヨルド、アラスカの氷河を巡る旅の中から、大自然の素晴らしさをとらえた作品と、その地域に生活する人々を記録したものである。この2年間で撮ったのだそうだ。

 半切から全倍、さらに大きな作品まで100点が展示され、そのどれもがとても35ミリカメラ撮影とは思えないクオリティである。船内に映る夕日の光景、目の前にそびえるアラスカの氷河の写真など、一つひとつの作品に見入ってしまった。雄大な自然の姿に感動を受ける写真展であった。

記:伊藤和徳

 

久野鎮「個性という名で集結」 2017年8月18日(金)~8月24日(木) 富士フォトギャラリー銀座                    写真集第3弾「心象創幻写術集」

  8月23日の酷暑の日に写真展会場にうかがった。

 会場は3ブロックに分かれており、スペース1と2が、久野さんの生徒さんたち55人の作品を展示した「“個性”が集う写真展」、スペース3が久野さんの「心象創幻個展」である。

 作品は作者の熱意が伝わる力作が揃い、酷暑のなか訪れた多くの人々の熱気が3会場とも溢れていた。聞くところによると、総来場者数は2,885名とのことで、これは会場記録の上位3位、4位に入る数字だそうだ。

 前もって久野さんのアナログ技法について伝え聞いていた。会場全体を見渡してみると、技術にとらわれている写真は目立たず、ナチュラルな、自然の風景写真といった印象を受けた。しかしよく見ると、シャッター速度やフィルター、ズーミング等の技術に裏打ちされていることが分かる。シャッターを押す以前に全ての技法を完了させておき、出来上がった写真には一切手を加えないという。この精神は良い。

 さて、久野さんはこれまで「あなたの写真は一日で変わる!」「あなたの写真はもっと個性的に変わる」(共に日本写真企画)を出版されているが、その第3弾として「心象創幻写術集」(日本写真企画)が発表された。

 この本では様々なテクニック(技)が紹介されている。ズーミングのシャッター速度、多重露光の絞り、雨の日に車のフロントガラスを使う方法、花火を手持ちで撮る方法、スローシャッターで縦ブラシで撮る方法等、実践的であり面白い。

 仏教思想の1つである「唯識(ゆいしき)」の中に、「この世の風景は、唯(ただ)心の見たもの」という表現がある。人は一人ひとり心の世界を持っており、そのありようは誰一人として同じものはない。同じ風景を見ても、一人ひとりの心に映る風景は同じものでないのだ。

 久野さんの写真を見ていると、この「唯心の見たもの」という言葉が現れてくる。

記:津田一郎        

 

*久野鎮さんの作品集についてはここをクリック